この記事には重大なネタバレが含まれます。
『密室は致死量の未来を予言する』が急に話題に
2024年5月上旬、演劇×体験型ミステリー『密室は致死量の未来を予言する』がX(旧Twitter)で突如として話題となりました。
公式ホームページが突然の公演終了と謝罪文を掲載しました。
2024年5月17日現在も掲載されています。
どうやら今マーダーミステリーで連続している盗作問題がまたしても起こったようです。
こちらの作品は、ストーリーを外部委託して作成されたようで、主催者もよく確認せず、公開に至ってしまったようですね。
外部スキルマーケットサービスを介して、脚本の草案を提供してもらい、公演を制作するに至った公演になります。
https://suzuhi-kikaku.online/yogenmystery/
盗作についての検証
『密室は致死量の未来を予言する』のあらすじを確認してみましょう。
とある預言者が、人生最後の予言をすると言い出した。
これまで彼は、数々の未来を的中させてきた。
ある時は、列車の脱線事故を。
ある時は、繁華街で発生した無差別殺人事件を。
ある時は、大地震を。人々は彼を神と崇め、これまで予言を授かってきた。
あなたは彼の最後の予言を聴こうと会場に訪れた。
時間になると預言者が現れ、
声を震わせながら予言を語り始める。「きょう…、
この会場で…、
ヒトが、死ぬ…」予言の力は本物なのか?
本当に人は死ぬのか?そんなことを考えながら、あなたはあることに気が付く。
「もしかして、僕も死ぬ可能性があるってこと?」
いま、前代未聞の予言ミステリーが幕を上げる。
https://suzuhi-kikaku.online/yogenmystery/
この記事には重大なネタバレが含まれます。
ところで、ここで『魔眼の匣の殺人』という小説のストーリーをご覧ください。
シリーズ累計120万部!!
デビューから2作連続、ミステリランキングを席捲!!
元研究施設に閉じ込められた11人。
ーーこの中で4人死ぬ。
“死の予言”は成就するのか。
『屍人荘の殺人』シリーズ第2弾
その日、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子を含む九人が、人里離れた班目機関の元研究施設“魔眼の匣”を訪れた。その日、神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と剣崎比留子を含む九人が、人里離れた班目機関の元研究施設“魔眼の匣”を訪れた。
その主であり、予言者として恐れられている老女は、来訪者に「あと二日のうちに、この地で四人死ぬ」と告げた。
施設と外界を結ぶ唯一の橋が燃え落ちた後、予言が成就するがごとく一人が死に、閉じ込められた葉村たちを混乱と恐怖が襲う。
さらに客の一人である女子高生も予知能力を持つと告白し――。
残り48時間、二人の予言に支配された匣のなかで、葉村と比留子は生き残って謎を解き明かせるか?! ミステリ界を席捲した『屍人荘の殺人』シリーズ第2弾。
おわかりいただけただろうか
あらすじだけで以下の類似点が挙げられます
- 予知能力もの
- 予言どおりに人が死んでいく
- 主人公も死ぬ可能性がある
SNS等での反応
SNSでの反応を調べてみました。
どうやら、パクリ元を知っている人には酷評で、知らない人にはとても面白い作品だったようです。
『密室は致死量の未来を予言する』はどのような作品だったのか考察
私は『密室は致死量の未来を予言する』をプレイしていないので、どんな作品だったのかはわかりません。
『魔眼の匣の殺人』もめちゃくちゃ面白い作品だったので、正直ネタバレしたくない気持ちがあります。
しかし、マダミスはやるけど読書はしないという人も多いのではないでしょうか。
読書はしたくないけど、このパクリ事件の中身を知りたい野次馬根性がある
そんな人にはいくら私の記事を紹介したところで読んでくれないと思うので、以下に考察を記述します。
この記事には重大なネタバレが含まれます。
予言者の女性は、何日間で何人が死ぬと予言を告げます。
その予言は、女性が何人、男性が何人、というような言い方をするのでしょう。
そして、実際に人が死にます。
すると、男性が3人死ぬという予言であれば、自分が男性なら3人殺せば自分は死なないわけで、生き残るためにその人は予言通りに人を殺していきます。
その犯人を当てるゲームだったのではないでしょうか。
初めは予言通りに人が死ぬので、超常現象に恐れおののくが、だんだんと予言通りに人を殺せば自分は死なないという動機で人を殺しているのではないかということに気づく。
そして、その犯人はおそらく女性か男性かわからない恰好をしている人物、もしくは体になにか特徴のある人物。
「自分は女性なので、もう予言通りの数死んでるから殺す動機がない」と言い、実は男性なので上手く殺人の疑いから逃れようとする。
犯人は、昔ある犯罪を犯したか、自分のせいで人を死なせてしまった過去がある。
そのことがバレないように身体を必死に隠そうとするが、ついに殺人犯と特定されたときにその身体に刻まれている証拠を皆に見られることになってしまう。
その関係者が偶然その会場に集まり、自分が殺される!と思い込み人を殺していったのだと告白する。
そして、予言者は実際には予言などできない人物である。
昔、本物の予言者がおり、その助手がいたことが調査の過程でわかる。
その助手は本物の予言者を崇拝していた。
その「助手」とは男性である、と叙述トリックで思わせ、予言者の女性がその助手であったというオチで物語が終わる。
いかがだったでしょうか。
この考察通りのマダミス作品であったなら、めちゃくちゃ面白そうな作品になりそうと思ったのではないでしょうか。
おそらく主催側も思ったはずです。「この作品はバズる!!!」と。
本当、『魔眼の匣の殺人』だけは何も悪くないし、面白い作品なので、考察が面白いと思った方は、この作者の別の著書を読んでみてくださいね。
『魔眼の匣の殺人』はAudibleで聴くことができます。
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